産業用ポリウレタン部品を扱う Pepsenでは、材料選定に関するご相談を受けています。用語を整理すると、 ポリエーテルウレタン はポリウレタンの一種です。本記事では、ポリエーテル系ポリオールを使うPUとポリエステル系ポリオールを使うPUを比較します。
本記事では、耐水性、耐摩耗性、耐油性、低温特性、動的特性、コストを比較し、使用条件に応じた選定項目を整理します。

ポリウレタンの基本構造
ポリウレタンエラストマーは、硬度、弾性、耐摩耗性、耐荷重性を配合と成形条件で調整できます。 カスタム成形部品、ホイール、ローラー、ブッシュ、ライナーなどに使用されます。適否は荷重、速度、温度、薬品、湿気などの条件で判断します。
キャストポリウレタンで一般的なポリオール系統は次の2つです。
- ポリエーテル系ポリウレタン (ポリエーテルウレタン)
- ポリエステル系ポリウレタン (ポリエステルウレタン)
市販のキャストウレタンは、多くの場合いずれかのポリオール系統を基礎とします。ポリエーテル系の詳細は、 ポリエーテルウレタンの特性と用途.
ポリエーテル系とポリエステル系の主な違い
主な違いは、使用するポリオール系統です。
- ポリエーテル系PUは、PTMEGやPPGなどのポリエーテルポリオールを使用します。
- ポリエステル系PUは、アジペート系などのポリエステルポリオールを使用します。
両者の性能は、配合、硬度、添加剤、成形・硬化条件によって変わります。どちらかが常に優れるわけではありません。湿気、水、油、薬品、温度、速度、摩耗形態を確認して選定します。
| 比較項目 | ポリエーテル系PU | ポリエステル系PU |
|---|---|---|
| 耐加水分解性 | 比較的高い。湿気や水への曝露を想定する用途で候補 | 配合によって低下しやすい。湿潤環境では要確認 |
| 耐摩耗性 | 衝撃・動的条件で候補。試験条件をそろえて比較 | 滑り摩耗で候補。試験条件をそろえて比較 |
| 耐薬品・耐油性 | 薬品ごとに確認。濃度、温度、時間の情報が必要 | 油や燃料でもグレードごとの確認が必要 |
| 引裂・引張特性 | 配合、硬度、試験条件による | 配合、硬度、試験条件による |
| 低温柔軟性 | 候補になりやすい。最低使用温度を確認 | 低温で硬化しやすい場合がある |
| 耐熱老化性 | 良好 | 候補になり得るが、長時間データで確認 |
| 動的特性 | 発熱、速度、たわみ量を実機条件で確認 | 良好 |
| 想定寿命 | 一律値は設定不可。使用条件と試験で推定 | 一律値は設定不可。使用条件と試験で推定 |
| コスト | 配合、金型、数量、加工で変動 | 配合、金型、数量、加工で変動 |
ポリエーテル系が候補になる条件
ポリエーテル系PUは、湿気や水への曝露、低温、繰り返したわみを伴う用途で候補になります。ただし、実際のグレードは次の条件で確認してください。
- 湿気、水、洗浄液に曝露される環境
- 屋外または低温で使用する環境
- 高速回転や繰り返したわみを伴う動的荷重
代表的な検討例:
- パイプラインピグや泥ポンプ用ピストン:流体、温度、圧力、摩耗条件でグレードを比較
- 物流用ホイール・ローラー:荷重、速度、発熱、床面、停止時間を含めて評価
価格差だけでなく、寿命、保守、停止時間を含む総コストで比較します。長寿命は試験または類似実績で確認します。
ポリエステル系が候補になる条件
ポリエステル系PUは、乾燥環境や耐油性、滑り摩耗を重視する用途で候補になります。例:
- 鉱物油に曝露される油圧・機械部品
- シュートライナーやスクレーパーブレードなど、滑り摩耗が中心の用途
湿潤環境では加水分解の影響を確認し、温度と曝露時間を含むデータで評価してください。
選定時に確認する項目
選定は「迷ったらポリエーテル」ではなく、使用条件と試験データに基づいて行います。ポリエーテル系は耐水性や低温・動的条件で、ポリエステル系は耐油性や滑り摩耗で候補になりやすいものの、最終判断はグレードごとのデータが必要です。






選定をご依頼いただく際は、図面、硬度、荷重、速度、連続・ピーク温度、薬品・水分への曝露、数量、目標寿命をお知らせください。必要に応じて試作と評価条件を検討します。
ご相談は Pepsenまでお寄せください。用途条件を確認してから材料候補をご提案します。